試験のポイント

2級建築士学科試験の出題傾向と学習ポイント

(1)学科計画

  1. 学科「計画」の出題傾向

    「建築計画」の出題範囲は、4分野で構成されています。各分野の出題数は、合計25問です。

    • ・「計画原論」 8問 熱.光.音.色などの自然科学原理の分野
    • ・「計画各論」 9問 各種建築物の基本的な寸法や計画手法など
    • ・「建築設備」 7問 設備機器の機能・原理、設備用語
    • ・「建築史」  1問 建築の歴史

    建築計画は、過去には出ていない問題が各科目中、最も多く出題されるため、試験で科目ごとの合否ライン以下となってしまう可能性が高く、うっかりミスが命取りとなりますので注意しましょう。

  2. 学習のポイント

    建築計画」は、試験で高得点を得るのが難しい科目で、簡単な問題と難解な問題の差が大きい科目ですので、簡単な問題は確実に得点する必要があります。

    計画原論」では、室内気候の温度・絶対湿度・露点に関するものや伝熱理論の熱伝達・熱伝導・熱貫流の意味と単位、日射熱の大小関係、音の性質と遮音の考え方の出題率が高く、いずれにしても大小関係を理解しておくことが重要です。

    計画各論」では、集合住宅・事務所建築の各種形態の形式と特徴、公共建築物では、必要な室名と用途を確実に覚えておくことが重要です。

    建築設備」では、空調設備の冷凍機に必要な機器と機能、各種給水方式と特徴、排水設備の通気管とトラップの目的と設置方法が出題率の高い重要事項となります。

(2)学科法規

  1. 学科「法規」の出題傾向

    「建築法規」の出題範囲は、2分野で構成されています。各分野の出題数は、合計25問です。

    • ・「建築基準法」22~23問 建築の企画・設計、建物を建てるのに直接関係する法令
    • ・「関連法規」2~3問 建築士法・都市計画法など建築に関連する法規

    また、「建築基準法」からの出題数をさらに分野に分けると、

    • ・「総則等」 4~5問
    • ・「単体規定」 4~6問
    • ・「集団規定」 7~8問
    • ・「その他の規定」 4~5問

    例年高得点者が多い科目ですが、合格者と不合格者の得点差がつきやすい科目でもあります。総合点の合格基準点をクリアするためにも高得点を目指しましょう。

  2. 学習のポイント

    建築法規」は、所定の要件を満たす法令集が試験場に持ち込めるため、高得点を狙える科目です。法令集の使い方をマスターし、満点を目指しましょう。

    建築基準法」の出題傾向としては、「総則等」からは用語の定義、面積・高さ等の算定・手続き、「単体規定」からは一般構造規定、構造強度、防火区画や内 装制限等の防火関係規定、避難施設等、「集団規定」からは道路、用途地域内の建築制限、容積率や高さ制限等の形態制限、「その他の規定」からは制限の緩和 や適用除外規定などの項目が多く出題されています。

    また、「関連法令」の出題傾向としては、「建築士法」からは建築士の業務や建築士事務所、「ハートビル法」や「耐震改修促進法」からは手続きや特定建築 物、「都市計画法」からは開発行為など、「消防法」からは消火設備などの項目が多く出題されています。いずれの分野も過去の出題を分析し、出題傾向を捉えることが重要です。

(3)学科構造

  1. 学科「構造」の出題傾向

    「建築構造」の出題範囲は、3分野で構成されています。各分野の出題数は、合計25問です。

    • ・「構造力学」 9問 力学計算や荷重・外力について
    • ・「一般構造」 11問 木造や鉄骨造など建物の各種の構造
    • ・「建築材料」 5問 建物に使われる材料の性質や特長

    力学の計算問題以外の文章問題は、過去の本試験の類似問題が比較的多く出題されている分野です。まずは過去問題を繰返し解いてみて高得点を目指してしっかり勉強しましょう。

  2. 学習のポイント

    建築構造」は、力学の計算問題があるため苦手にしている人が多い科目です。しかし、文章問題は比較的やさしいのでしっかりマスターしましょう。
    建物の骨組は、いろいろな材料を組み立ててつくられます。例えば、木造であれば木材、釘などの金物や基礎に使われるコンクリートなどです。
    これらの材料が建物の屋根や壁、床などの各部分にどのように使われているか、また、建物の各部分が風や地震などの荷重・外力に対して、建物が壊れないようにどのように働いているかを材料の性質と一緒に考えながら学習しましょう。
    建物の構造で試験に出題される代表的なものとして、木構造・鉄筋コンクリート構造・鉄骨構造があげられます。
    その主要材料の木材・コンクリート・鋼材の出題も合わせると出題範囲の約半分を占めます。この3種類の構造を理解することが重要です。

(4)学科施工

  1. 学科「施工」の出題傾向

    「建築施工」の出題範囲は4分野および施工用語・施工機械等で構成されています。各分野の出題数は、合計25問です。

    • ・「施工計画」  4問 工事契約、工程計画、積算・測量など工事準備の分野
    • ・「工事管理」  3問 安全管理、材料管理、足場などの仮設工事など
    • ・「躯体工事」  9問 建築物の主要な骨組み工事
    • ・「仕上工事」  8問 防水・左官・タイル・塗装など
    • ・施工用語・施工機械等  1問
  2. 学習のポイント

    建築施工」は、覚える数値や用語が最も多い科目です。ですから暗記の量が素直に得点に結びつきやすい科目だということがいえます。

    施工計画」は、工事の内容ではなく、契約書類の内容に関するものと工程計画が主な内容で、書類内容と工程表の理解が学習の中心になります。契約書類では、仕様書の記載事項と契約約款の内容が1年ごとに交互に出題されます。

    工事管理」は、材料の取り扱いの理解と足場に関しては数値の暗記が中心で、足場関係では、枠組み足場・単管足場の組立て寸法が毎年出題される重要事項です。「躯体工事」では、鉄筋の加工・組立て・継手の位置・圧接寸法の数値が毎年出題される最も重要な数値となります。

    仕上工事」で毎年出題される内容は、タイル工事の張付けモルタルの塗厚と塗装工事の塗料と塗る素材の適否で、防水工事と左官工事に関しては施工方法全般を理解または暗記しておく必要があります。

2級建築士製図試験の出題傾向と学習のポイント

設計製図試験の出題は、問題に指定された敷地と用途・規模・構造等の設計条件により建物を計画し、要求された設計図面一式を完成させる実技試験です。

  1. 設計製図試験の出題傾向

    設計製図試験の課題は、全国が8ブロックに分かれ、各ブロックごとに、課題が選択され出題されます。例年、課題には、「木造課題」と「非木造課題」の2課題あり、そのどちらかを各ブロックが選択します。

    平成12
    年度
    「趣味(音楽)室のある専用住宅(木造2階建)」
    … 北海道・東北・関東・東海・北陸・近畿・中国四国ブロック
    「高原に立つペンション(鉄筋コンクリート造2階建)」
    …九州ブロック
    平成13
    年度
    「英会話教室併用住宅(木造2階建)」
    …北海道・東北・関東・東海・北陸・中国四国・九州ブロック
    「ルーフガーデンのある親子二世帯住宅〔鉄筋コンクリート造(壁式構造)2階建〕」
    …近畿ブロック
    平成14
    年度
    「工房のある工芸品店併用住宅(木造2階建)」
    …北海道・東北・関東・近畿・中国四国ブロック
    「商店街に建つコミュニティ施設〔鉄骨造(純ラーメン構造)2階建〕」
    …北陸・東海・九州ブロック
    平成15
    年度
    「吹抜けのある居間をもつ専用住宅(木造2階建)」
    …北海道・東北・関東・東海・北陸・中国四国・九州ブロック
    「住宅地に建つ動物病院併用住宅〔鉄筋コンクリート造(ラーメン構造)2階建〕」
    …近畿ブロック
    平成16
    年度
    「趣味(フラワーアレンジメント)室のある専用住宅(木造2階建)」
    …全ブロック共通
    平成17
    年度
    「近隣の街並みに配慮した車庫付二世帯住宅(木造2階建)」
    …全ブロック共通
    平成18
    年度
    「地域に開かれた絵本作家の記念館」
    [鉄筋コンクリート造(ラーメン構造)2階建]
    …全ブロック共通
    平成19
    年度
    「住宅地に建つ喫茶店併用住宅(木造2階建)」
    …全ブロック共通
    平成20
    年度
    「高齢者の集う趣味(絵手紙)室のある二世帯住宅(木造2階建)」
    …全ブロック共通
    平成21
    年度
    「商店街に建つ陶芸作家のための工房のある店舗併用住宅[鉄筋コンクリート造(ラーメン構造)3階建]」
    …全ブロック共通
    平成22
    年度
    兄弟の二世帯と母が暮らす専用住宅(木造2階建)
    …全ブロック共通

    このように、多種の用途で出題されますが、中でも出題率が高いのは住宅に関する課題です。
    その場合、同居高齢者又は将来の高齢化に配慮した計画が要求されことが多く、国土交通省告示「高齢者が居住する住宅の設計に係わる指針」で示される設計寸法に準拠した出題となります。

  2. 設計製図試験のポイント

    平成13年度より合格発表時に合否判定基準として「採点のポイント」「採点結果の区分(ランク1~4)」「合格基準(ランク1)」が発表されています。

    設計課題の設計条件に即して、限られた時間内でプランニングし、一定の図面を完成させる能力を問われる試験です。試験時間は4時間半で、プランニング1時間、作図3時間、チェック修正30分が時間配分の標準です。採点はほぼ減点方式と思われますので、設計条件違反及び作図表現の違反が即減点につながる試験です。したがって、課題文から設計条件を読取るポイントを理解することと、短時間に無駄のないプランをまとめる力と作図の正確性及びスピードアップが問われる試験です。

    また、要求図種としては、「木造課題」では、〔1階平面図兼配置図、2階平面図、立面図、矩計図、面積表〕、「非木造課題」では、〔1階平面図兼配置図、2階平面図、立面図、断面図、面積表、仕上表〕が一般的な出題です。